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クェーサー直前の「ブルドッグ」 国立天文台など4機関が8つの候補天体を発見

信州大学や国立天文台など4機関からなる研究チームは塵に深く覆われた銀河「ドッグ」とブラックホールを抱える「クェーサー」の両方の特徴を持つ青く光る天体の探査をすばる望遠鏡などを用いて行った。結果として8つの候補天体が見つかり、これらを『ブルドッグ』と名付けた。

広大な宇宙に存在する大半の銀河の中心部には、最大で太陽の10億倍の質量を持つ超巨大ブラックホールがあり、この超巨大ブラックホールを抱える天体として明るく輝くクェーサーが存在する。これがどのように誕生するかは分かっていないが、「ガスを多くもつ銀河同士の合体が引き金となる」というシナリオがある。

近年、このシナリオ内の1つに登場する「明るく輝くクェーサーの前段階の天体」を効率よく探す方法が提案された。それは、可視光で暗く中間赤外線で明るい天体を探すというもの。実際、ある程度の面積 (数十平方度) を可視光で長時間撮像することで、明るい天体が発見された。この天体は塵に深く覆われた銀河で「ドッグ」と呼ばれている。

チームは天体の探査を行うにあたり、進化後のクェーサーの特徴である可視光線で青いということに着目。ドッグはこれまで、塵に深く覆われていることからほとんどのドッ

グが赤い天体だと信じられてきた。だが、もしクェーサーに進化する途中であるならばブルーに光り始めていると考え、「ブルドッグ」探しを始めた。結果として青く光る8天体を突き止めた。

研究チーム代表で信州大学の登口暁教授は「今後、サンプルの統計数を増やしたり、詳細な分光観測を行なうことで、これらの疑問を解決していき、クェーサー誕生のしくみを明らかにしたい」と語っている。