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偏桃体の興奮性神経細胞には2つのタイプがある 東京慈恵会医科大講師らが発見 PTSDの仕組み解明に期待 

東京慈恵会医科大学の森島美絵子特任講師らは、嫌悪を感じた際に活動する脳の扁桃体で、学習に伴い情報伝達の仕組みが変化することを発見した。扁桃体の興奮性神経細胞には2つのタイプがあることを見いだし、嫌悪学習で異なる情報処理が行われていることが明らかになった。心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの仕組み解明への貢献が期待されている。

本研究では音条件づけ嫌悪学習に関わる経路、視床―扁桃体においてどのような情報処理システムが働くのかについて扁桃体興奮性細胞を調べた。

行動実験を行う4週以上前にチャネルロドプシンを視床に注入し、 嫌悪記憶を形成したマウスと音だけを聞かせたコントロールマウスから扁桃体脳のスライス標本を作製。電気生理学的手法と光遺伝学的手法を組み合わせた実験を行った。

視床―扁桃体経路の軸索を光刺激し、2種類の扁桃体興奮性細胞サブタイプへの入力について比較。その結果、抑制性神経細胞を介したフィードフォワード抑制情報が2つのサブタイプ間で異なることを明らかになっている。

この変化は、2つの興奮性神経細胞に依存しており、怖いと感じる嫌悪学習によって情報の出力を制御する可能性が示された。さらに詳細な機構を分析することで将来的にはPTSDなどの情動破綻を伴う多様な疾患の神経回路メカニズムの解明に貢献できる可能性がある。

研究グループは今後について「さらに詳細な機構を明らかにすることで将来的にはPTSDなどの情動破綻を伴う多様な疾患の神経回路メカニズムの解明に貢献できる可能性が考えられる」とコメントしている。