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希少種「ミドリユムシヤドリガイ」、沖縄県で発見 亜熱帯では初めて 和歌山県からも42年ぶりに報告(京大)

京都大学の後藤龍太郎助教らの研究グループは、琉球列島の加計呂麻島、沖縄島、伊計島、および紀伊半島南端の串本で2枚貝の希少種「ミドリユムシヤドリガイ」を発見した。同種は温帯でしか確認されていなかったが、今回はじめて亜熱帯域で見つかっており和歌山県からの分布報告は42年ぶり。

ミドリユムシヤドリガイは、ゴカイの仲間である「ミドリユムシ」と共生することで知られる。1981年に和歌山県で発見されて以来記録がなく2010年に加計呂麻島で確認されたが、それが同種か別種か判断が難しく判断が保留されていた。

昨年、琉球大学の学生が見つけたことをきっかけに、本州のサンプルと比較したところ違いはなかった。今回の調査で京都大の大学院生が「サビネミドリユムシ」からも発見している。

研究グループは「本種が亜熱帯域の海にも生息することや、サビネミドリユムシ属以外のユムシ類も宿主として利用することが明らかになった。これらの知見は本種の保全を行う上で重要な情報となると考えられる」としている。

沖縄島で採集されたミドリユムシヤドリガイ(撮影:佐藤大義氏)