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生成AIは情報収集の救世主? 大阪公立大教授らが医療分野での有用性を検証

大阪公立大学の榎本大病院教授らの研究グループは、医療分野における情報収集ツールとして生成AIに着目。論文作成で膨大な時間を必要とする文献検索に活用できるかを検討した。生成AI「ChatGPT」「Elicit」に全く同じ臨床的な問いかけと文献の選定基準を入力したところ、精度の違いが見られたという。

研究グループはこれまで統計分析方法「メタアナリシス」において31の対象文献を選定するために5669の文献を確認して、選定には膨大な時間を費やしてきた。この研究では、その選定プロセスに生成AIを活用できるかどうかを検証した。

研究では2種類のChatGPTとElicitを使用。どちらにも全く同じ問いかけと文献の選定基準を入力したところ、ChatGPTから提案された文献の多くは実際には存在しない架空の文献であった。一方、Elicitでは研究者が自ら選定する精度と同じ程度の70の文献が数分で提案された。

榎本教授は「生成AIも日々進化しており、将来的には医療情報を効率的に収集するための強力なツールとして期待される」とコメントしている。