文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
濃度高値で胎児の障害リスク増加「血清ホモシステイン」女子栄養大が女性調査、果物やきのこを食べる人は低い結果に 

女子栄養大学の川端輝江教授らは血清ホモシステイン濃度について、日常の食事における差が生まれるのかを若年女性を対象に調査を行った。果物やきのこ類の摂取量が多い人は濃度が低いことが判明している。血清ホモシステイン濃度は、高値になると重大な疾患につながるとされている。例えば、妊娠前・妊娠初期の女性が葉酸を十分に摂取しない場合、血清ホモシステイン濃度高値となり、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが上がることが近年知られている。

血清ホモシステインは葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取量が不足すると上昇すると知られているが、これら以外の食事因子との関連は不明であった。研究では18~25歳の女性227人を対象にホモシステインと栄養成分の摂取量の関連性を検討した。

その結果、ホモシステイン濃度は水溶性植物繊維、不溶性食物繊維、総食物繊維摂取量と有意な負の関連が認められた。果実類ときのこ類の摂取量が多い対象者は濃度が低く、食品から接種される食物繊維が関与していると考えられている。

博士後期課程3年の田島亜希子氏は「今までデータのなかった非西欧国・健康な若年女性集団を対象とした本研究結果は、国内における妊娠前の女性の食生活における有益な情報となる」とコメントした。