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子宮頸がんの原因となる細胞とウイルスの特徴 東大研究Gが解明 予防法につながる可能性も

東京大学の田口歩届出研究員らグループは24日、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの中でも悪性度が高いHPV18型の複製に関与する細胞内分子NPM3の同定に成功したと発表している。HPV18型発がんの予防法の開発につながる可能性もある。

子宮頚がんはHPVが子宮頸部のSCJ部位に感染すると細胞内でHPV初期プロモーターという遺伝子領域が活性化する。

研究グループは、HPV18型初期プロモ-ター下流に発行たんぱく質遺伝子を組み込んだベクターを作製し、患者由来のSCJオルガノイドに導入する世界初の実験を行った。

さらに、次世代シーケンサ―を用いシングルセル解析によって初期プロモーターが活性化した細胞の特徴を解析した。これによりSCJの中でも未分化な細胞内でHPV18型初期プロモーターが活性化しやすいことやヒストンシャペロンたんぱくであるNPM3がHPV18型ウイルスの複製に関わっていることを解明した。

研究チームは「開発したシステムはほかの方のHPV感染症の研究に応用できる可能性があるほか、NPM3の解析がHPV18型発がんに機序解明や予防法の開発につながる」としている。