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北海道のカタツムリ「エゾマイマイ」は〝走る〟〝昼夜行動〟 京大研究Gが世界初確認

京都大学の研究グループは21日、研究では新たに天敵を模した外部からの刺激に応じて、北海道に生息する最大のカタツムリ「エゾマイマイ」が歩行速度を1.2~1.3倍ほど上昇させることが明らかにしたと発表。カタツムリが走って逃げるという報告は初めてと推測されている。また昼夜問わず活発に行動することも世界で初めて確認した。

研究グループは平均して 1.05mm/秒から 1.27~1.35mm/秒ほどに速度が上がるとしており、捕食者に襲われた時に逸早く安全な場所に到達するために、カタツムリなりに「走って逃げている」と考えている。

さらに、エゾマイマイは昼夜問わず活発に活動する「周日行性」の日周性を突き止めた。カタツムリは一般に夜行性のものが多く、明確な日周性を示さずいつでも活発に活動するエゾマイマイのような種は、世界的にも知られていない。

研究グループは「本研究の結果は殻を振る引っ込む、活動性が高い低いといった動物の個性に関係する複数の形質間に強い相関があることを示すものであり、今まさに種分化の過程にある近縁種間に行動シンドロームの存在を示唆する」と説明している。

研究対象としたエゾマイマイ
(撮影:森井悠太京都大特定助教)