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不規則なガラス構造に潜む規則性を発見 指標が定量的議論に貢献(東北大×早稲田大)

東北大学と早稲田大学の研究グループは21日、シリコンと酸素だけからなるシリカガラス(石英ガラス) のネットワークに内在するリング構造に着目して、真円度及び粗さという新たな指標を開発し、リング構造の3次元的な定量化に成功したと発表した。この指標は定量的な議論に貢献するという。

近年、 結晶材料等においてデータ駆動科学は急速に普及している。だが、これに基づく高効率的な材料設計をガラス材料に対して実施するためには、ガラス中におけるリングの構成原子数のみが解析の指標として用いられてきたこれまでのアプローチでは限界があった。

これまでの研究では、ガラス中に存在するリングを構成する原子数のみを指標として解析が行われてきたが、3次元的な形状の異なるリングを区別することは不可能であった。今回の研究では、真円度や粗さという指標を新たに定義することによって「リング形状」 の定量評価法を実現した。

この技術を窓ガラスなどに用いられるシリカ(SiO2)のガラス及びSiO2 組成を有する複数の結晶の構造解析に応用し、 ガラスおよび結晶に含まれるリングの代表的な特徴(形状および対称性)を網羅的に解析。

シリカには他の化学組成の材料では見られないほど多様な結晶構造が存在するが、今回の解析によって、 ガラス中には数種のシリカ結晶に類似した構造がある一方、ガラス特有の形状を有するリング構造も数多く存在していることを新たに明らかになった。

この新たな知見はリング形状の定量評価技術によって初めて得られたものであり、ガラス化および結晶化のような状態転移を理解するために重要な結果といえます。

研究グループは「開発したリング形状の定量評価技術は、無秩序な構造に含む規則正しい構造ユニットの抽出を可能にするだけでなく、ガラスにおける不規則なリング構造を定量的に議論することを可能にする」と説明している。