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水深3000㍍までのプランクトン 北大准教授らが体積などを調査、CO2吸収評価などに期待 

北海道大学の山口篤准教授らと島根大学の研究グループは、オホーツク海、日本海及び東シナ海などに設けた7地点を調査。水深3000メートルまでの動物プランクトンの出現個体数、生体体積、群集構造、サイズを明らかにしたと17日に発表した。物質輸送量を推定するための知見となり、それは二酸化炭素吸収の評価などにつながりそうだ。

動物プランクトン群集構造やサイズを明らかにすることは、プランクトンを介する物質輸送量を正確に推定する上で重要だが、これまで知見が乏しかった。近年、プランクトンの分類群とサイズ測定を同時に行える「画像イメージング機器(ZooScan)」の普及によりそれらの分析が以前よりも容易になったこともり研究グループが調査をした。

研究では2011と14年の6~10月にオホーツク海など7定点で、水深3000メートルまでのプランクトン採集を実施。ZooScanでその画像データを取得。データに基づき、出現固体数密度と生体体積を調べた。

その結果、プランクトンの個体数と体積は、表層に多く、深くなるにつれて減少した。また、個体数は海域による差は小さいが体積は大きかった。そして、体積は表層にて高い地点は深海でも高い値を示していた。

動物プランクトンは8つに分類された。日本海固有水中のプランクトン群集は特殊でほかの海域と大きく異なることが明らかになっている。プランクトンサイズに最も大きな影響を及ぼしていたのは水深で、深海では1立方メートルあたりの生体体積は低いものの、大型な固体が多くサイズ多様性が高いことが明らかになった。

研究グループは「表層から深海への物質輸送の役割を担う動物プランクトンの、全水柱を通しての現存量、群集構造とサイズについて、日本周辺海域の特徴を明らかにしたもので、表層から深海への物質輸送量を正確に推定する重要な知見となる」としている。