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阪大研究Gが「リソファジーの評価系」新開発 認知症などの予防薬に期待

大阪大学の久万亜紀子特任准教授らの研究グループは、オートファジーによるリソソームの選択的な修復「リソファジー」を監視する新たな評価系を開発した。生活習慣病や認知症などの予防薬につながる可能性もある。

消化作用を行う細胞小器官「リソソーム」の内容物が細胞質に放出されることは炎症などを引き起こし細胞にとって有害だ。研究グループは損傷リソソームが選択されて修復されることを発見してリソファジーと名付けている。

研究グループはpHにより励起波長が変化する蛍光たんぱく質「mKeima」とリソソーム膜たんぱく質「TMEM192」を融合して細胞に発現させることでリソファジー活性を評価する実験系の開発に成功した。

さらに、新規評価系を用いることでリソファジーの初期段階に機能する因子の特定している。

研究グループは「リソファジーの活性を特異的に測定することができる新規評価系は、リソファジーの分子機構の解明になると期待され、さらにはの認知症などの予防薬などの開発に向けた基盤情報を得るために活用される」と説明している。