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ナチュラルキラー細胞の免疫記憶を制御・強化 筑波大教授らが分子「Themis2」を発見

筑波大学の澁谷彰教授らの研究チームは10日、ウイルス感染細胞を殺す重要な免疫細胞の1つであるナチュラルキラー(NK)細胞について、その細胞質内に存在する「Themis2」という分子が、より強力な殺傷能力を持つ細胞へ分化させていることを発見したと発表している。

研究チームはまず、サイトメガロウイルス感染のマウスを用いてNK細胞が免疫記憶NK細胞に分化するときに増加する分子を探索。Themis2という分子を発見した。

野生型及びThemis2遺伝子欠損マウスにおけるNK細胞の免疫記憶NK細胞への分化を比較したところ、サイトメガロウイルス感染後Themis2を欠損するNK細胞は、野生型NK細胞よりも効率よく免疫記憶NK細胞に変わった。

また、Themis2が欠けている免疫記憶NK細胞は、ウイルス感染細胞に対し、未感作のNK細胞や野生型免疫記憶NK細胞よりもウイルス感染細胞に対して強い細胞障害活性を示すことが判明した。

さらにThemis2欠損目根来記憶NK細胞を末感染マウスに移入すると、サイトメガロウイルス感染に対して強いウイルス排除能を示した。加えて、Themis2は転写因子Zfdp740と結合して免疫記憶NK細胞の生存に関する遺伝子発現を制御することが分かっている。

研究チームは「Themis2を標的として、免疫記憶NK細胞の分化や機能を増強し、ウイルス感染症をより良く制御できる可能性がある」としている。