文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
糖尿病などの治療効果に期待 東大研究Gがアディポネクチン受容体活性化抗体を取得 

東京大学の山内敏正教授らによる研究グループは11日、半減期の長いアディポネクチン受容体活性化抗体を取得したと発表した。アディポネクチン受容体活性化を有すること、肥満糖尿病あるいは非アルコール性脂肪性肝炎を発症したマウスにおいて治療効果があることを明らかにしている。

研究グループは月に1回という少ない頻度での投与を可能にする半減期の長い抗体医薬により、アディポネクチン受容体を活性化することで服薬アドヒアランスを向上させ、治療効果を強化することを着想。抗体の取得を試みた。

14年にわたる研究の成果で、アディポネクチン受容体に結合してアディポネクチンと同じような効果を持つマウス抗体の取得に成功した。また、高脂肪食を与えることにより肥満糖尿病を発症したマウスに取得した抗体を投与したところ、糖尿病の改善と非アルコール性脂肪性肝炎の予防効果が認められた。

研究チームは「糖尿病や非アルコール性脂肪性肝炎の治療だけでなく、アディポネクチンの作用低下が原因となる慢性疾患の治療効果にも波及する可能性とアディポネクチン受容体研究の発展に寄与する」としている。