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家畜の健康増進へ期待 宮崎大がウイルス分離に適したブタの細胞の樹立に成功

宮崎大学の齊藤暁准教授らの研究チーム8日、ブタ由来細胞を遺伝子編集することで、ウイルス分離効率の低下につながる遺伝子をノックアウトした細胞を作り上げることに世界で初めて成功した。ウイルス感染症の制御や家畜の健康増進への貢献が期待される。

この研究では、インターフェロンの受容体IFNAR1のIfnar1遺伝子と、インターフェロン応答に重要な因子STAT2のStat2遺伝子を欠損するブタ由来細胞の樹立に取り組んだ。

まず、CRISPR/Cas9技術を用いることでIfnar1遺伝子もしくはStat2遺伝子を欠損したノックアウト細胞を生み出した。次に、これらの細胞でインターフェロン処理を行なった。すると通常のブタ細胞ではウイルス増殖が阻害される一方、Ifnar1遺伝子ノックアウト細胞及びStat2遺伝子ノックアウト細胞ではウイルス増殖が妨害されないことが判明した。

また、実際のウイルス分離の場面を想定。インターフェロン産生を誘導する物質を細胞に処理し、その効果を分析した。結果、通常の細胞ではウイルス増殖が阻害された一方、Ifnar1遺伝子ノックアウト細胞及びStat2遺伝子ノックアウト細胞ではウイルス増殖が全く妨げられないことを示した。

これらの研究から、ブタのウイルス分離効率の向上が期待され、ウイルス感染症の制御や家畜の健康増進への貢献が強く期待されている。

研究チームは「今後、ブタ以外の動物種についても同様の検討を進めることで、国内有数の畜産県である宮崎県はもちろんのこと、国内外における家畜の健康増進や農業分野における画期的なイノベーションにつなげていきたい」としている。