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「伸びる・治る・分解する」 東大がポリロタキサン含有樹脂作製に成功 

東京大学の伊藤耕三教授らによる研究グループは10月31日、強靭性と結合交換性を両立する「環境配慮型ポリロタキサン含有高機能ビトリマー樹脂」を開発した。〝伸びる・治る・分解する〟機能を有するもの。ポリロタキサンと次世代融合素材「ビトリマー」の融合が多岐にわたる機能向上に有効であると初めて示した結果である。

ポリロタキサンを均一にエポキシ系ビトリマー樹脂に分散することで、ポリロタキサンを添加しないビトリマー樹脂に比べて、伸長性が5倍、自己修復性が15倍、形状記憶性が2倍、ケミカルリサイクル性が10倍に増えた。さらに、これまでになかった海水生分解性が発現したという。

研究グループは「この材料は資源循環やカーボンニュートラルの観点からも、理想的な樹脂材料と言っても過言ではない」と評価。「循環型経済の実現を推進する材料として社会に与える波及効果は大きい」と説明している。