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産総研が多段連続抽出分離システム開発 バニラ香料の高効率かつ低環境負荷な連続生産を実現

産業技術総合研究所(産総研)の市塚知宏研究員らは、連続的に反応、抽出、分離を実施可能な連続生産プロセスを構築する上で、鍵となる多段連続抽出分離システムを開発。機能性化学品の高効率かつ低環境負荷な連続生産を実証した30日に発表している。

代表的な分離生産方法「抽出分離」は機能性化学品の生産に必要不可欠な精製プロセスの1つだが、処理に時間と溶媒を必要とするため、連続化やほかのプロセスとの連結が難しい方法。

産総研は、混じりあわない2つの流体が流路を交互に流れる「スラグ流」を用いた高速抽出分離システムを効率的に多段化することで、最小限の溶媒量を用いて約3分以内に連続抽出分離ができる方法を発明。

今回開発した連続抽出分離システムをフロー反応システムと連結して使用することで、未反応原料や抽出溶媒を循環利用して目的物質を連続合成することが可能となる。

研究チームは「連続生産の適用事例を増やすとともに、生産スケールの向上やプロセスの自動制御などの要素技術を確立し、連続生産フロープロセスの社会実装を目指す」としている。