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腎障害の予防法などへの活用に期待 東北医科薬科大が腎臓のうっ血による腎血管のペリサイトはく離を確認

東北医科薬科大学の森建文教授らの研究グループは、動物実験と人検体の腎臓を用いた検討を行った。静脈圧の上昇により腎臓がうっ血することで、腎直血管の周皮細胞(ペリサイト)がはく離することを発見した。腎障害の予防法などへの活用が期待されている。

この研究では、体液が貯留する高血圧モデルである高食塩負荷ダール食塩感受性高血圧(DahlS)ラットを用いた。高食塩負荷によりDahlSラットに腎うっ血を生じさせると、ペリサイトはく離と腎障害が観察されている。

加えて腎被膜を除去することで腎うっ血を解除すると、このペリサイトはく離と腎障害は改善された。一方、同程度の高血圧を呈しながら体液貯留の少ない高血圧自然発症ラット(SHR)ではこのペリサイトはく離は起きていなかった。

今回の結果について、研究チームは「腎うっ血の病態理解やペリサイトを対象とした腎障害の治療、予防法の開発への応用が期待される」と評価している。