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NICT 超電導ワイドストリップ型光子検出器を世界で初めて開発

情報通信研究機構(NICT)は、超伝導ストリップ光子検出器において、ストリップ幅を広くしても高効率に光子検出が可能となる新たな構造を創案。ナノストリップ型に比べて200倍以上ストリップ幅が広い超伝導ワイドストリップ光子検出器の開発に世界で初めて成功した。

超伝導ワイドストリップ光子検出器は、ナノ加工技術を必要とせず、生産性の高い汎用的な光リソグラフィ技術によって作成することができる。また、ストリップ幅が光ファイバから照射される入射光スポットよりも広いため、1本の短い超伝導ストリップで受光部を形成することが可能となった。

ナノストリップ型において見られていた偏光依存性を無くすことが可能となった。検出器の性能を評価した結果、通信波長帯における検出効率が78%であり、ナノストリップ型の同81%と比べて遜色ない性能を示している。

NICTは「量子ネットワークや、ネットワーク型量子コンピュータの実現に向けて、必要となる高性能光子検出器の数は今後飛躍的に増大することが予想される。この技術はそこに貢献することができる」と説明している。