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意識が瞬間的にフリーズする注意の瞬きがサルにも起きている 京大教授らが解明、人との時間差も確認

京都大学の小林豊教授らの研究グループは30日、意識が瞬間的にフリーズする「注意の瞬き」現象がサルにも起きていることを明らかにしたと発表している。また、人とサルの間に時間差があることも突き止めている。

注意の瞬きとは次々と出てくる画像に対して、先行するものに注目していると数百ミリ秒ほど後続するが画像が知覚できない現象を指す。これが動物にも存在するのかを調査した。

その結果、2枚の画像に注目して報告してもらう条件でのみコマ落ち現象がサルにも見られた。だが、それは人によりも間延びして起きていることに研究者らは着目。

サルに用意した画像と全く同じものを用いて、人に対しても同様の実験を行った。得られた人とサルの結果を比較すると、サルのほうがその期間が長く意識のコマ落ちに時間差があることが明らかになった。

これは、先行する画像の感覚情報を意識情報へ変換する速度がサルよりも人のほうが早いということを示しているという。また、サルと人の知覚意識システムは性質を共有していることにもなる。

研究チームは「本知見からより遅れた応答成分が感覚情報を意識情報に変換させることに関わっていると予想される。今後、その詳細を明らかにしていきたい」としている。