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宇宙嵐の主要因は「地球から発せられるプラズマ」 名大などの国際研究Gが特定

名古屋大学のリンキスラーらの研究チームは30日、米国の研究者との共同研究により、宇宙嵐を引き起こすのは太陽よりも地球から発せられるプラズマが主要因だと発表した。これまでの考え方の変革を迫る新たな知見だという。

太陽の爆発に伴い、太陽風の密度や速さ、磁場の強さが変化する。それにより地球の周りの宇宙空間では、宇宙嵐が起こる。これは人工衛星の機能やGPSの精度、停電などを発生させることもあるため、その研究は最重要課題だ。

研究チームは日本の衛星「あらせ」など4機の科学衛星データを基に解析を行った。その結果、宇宙嵐の発生時に地球磁気圏のプラズマが太陽から地球起源へと変化することを発見。嵐の発達において、はじめは地球の水素イオンが支配的であったが、その後酸素イオンが主要因となることも見出した。

研究グループは「宇宙嵐の発達過程の理解には、地球起源のイオンの影響も評価することが必要であることを示すものであり、宇宙嵐の予測研究においても、太陽風だけでなく、地球大気の影響を組み込んでいくことが必要であると示唆するものだ」としている。