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糖尿病網膜症と爪床毛細血管の関係性 東北大研究Gが発見、非侵襲的な検査も可能に

東北大学の中澤徹らのグループは、医療機器ベンチャー「あっと㈱」が開発した毛細血管スコープによる簡単かつ非侵襲的な方法を用いて、爪床毛細血管(NC)の外部刺激のない測定による糖尿病網膜症(DR)の発見や重症度評価に有効であることを明らかにした。

DRは国内で3番目に多い失明理由としてあげられ、年間数千人がこれにより目が見えなくなっている。だが、この病気の早期発見は難しいのが現状。DRは重症度によって、DRなし(NDR)、非増殖性DR(NPDR)、増殖性DR(PDR)に分類される。

研究グループは2型糖尿病患者において、NC解析データがDRの有無及びDR重症度と関連するかを検討するため、83人の患者と63人の糖尿病でない人たちを比較した。

その結果、糖尿病患者はそうでない人と比べて、NCパラメータの本数が減少、長さも短縮、幅も狭小化していた。糖尿病患者はDR重症度が高くなるにつれて、NCの構造的変化が強くなる傾向にあり、NCパラメータはDRとPDRの識別能力が認められた。

研究チームは「NCとDRは関係が深く、既知のDR全身リスクを補完し高精度にDRリスクを予測することを可能とするため、NC測定は非侵襲的で簡便な検査方法になりうる」としている。