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miR-451aの胆道がんへの効果を確認 ゲムシタビン耐性にも有効(岡山大)

岡山大学の大塚基之教授らの研究グループは28日、胆道がん組織中で発現低下がみられたマイクロRNAの1つであるmiR-451aが化学療法で使用される抗がん剤「ゲムシタビン」に抵抗するがんへの抗腫瘍効果を示すことを発見したと発表している。米国遺伝子細胞治療学会の公式雑誌「Molecular Therapy」のオンライン版に掲載された。

胆道がんは肝内・肝外胆管がん、十二指腸乳頭部がんなどをまとめた総称だ。国立がん研究センターによると、2019年には日本で2万人を超える患者が診断されている。だが、症状に気付きにくく、手術のできない段階まで進行していることが多い。有効な薬剤はゲムシタビンなど少数に限られており、それらへの耐性を示すがんの治療が課題となっている。

研究では、肝内・肝外胆管がんや薬に耐性のある胎管がんなどでも、miR-451aによってがんの細胞増殖や抑制をできることを生体に近いモデルを用いて明らかにした。さらにアポトーシスの誘導や上皮間葉転換の抑制にも効果があるという。

研究グループは「miR-451aが胆道がんに対して増殖抑制効果を誘導することを発見できたことから、拡散医薬と呼ばれる新たなモダリティによる胆道がん治療薬の開発につながる」とコメントしている。