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抑うつ症状が重いほど脳波反応の振れ幅が小さい? 研究Gが調査、自殺要因の早期発見に期待

東海大学の中谷裕教らの研究グループは25日、健常者を対象に風景や人物、動物などの写真を見せ際の脳波を計測した結果、抑うつ症状が重いほど脳波反応の振れ幅が小さいと発見した。今後、明かにした推定手法を確立して、抑うつの評価や診断につなげたい考えだ。

気分が落ち込んでいる、憂うつである精神症状を「抑うつ」と呼ぶ。そして、この期間が長いと「うつ病」とされる。うつの早期発見や予防のためには、抑うつ症状を評価することが大切という。

研究チームは日常生活をおくる43人を被験者として、うつ症状を評価するために「抑うつ質問票」を使って過去2週間の気分や精神状態を回答してもらった。その後、さまざまな写真を見せた時の脳波を測定した。

通常、写真を提示してから200ミリ秒後に脳波反応の振れ幅に正のピークが現れる。抑うつ症状が高いと、この振れ幅は小さくなる傾向があると判明した。また、後期陽性電位が遅くなる傾向も見出されている。

研究グループは今後の研究目標として「この推定手法を確立して、抑うつ評価や診断につなげたい」としている。