文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
東京医歯大教授らがXLAの患者を都内初発見、無症状のまま治療開始

東京医科歯科大学の森尾友宏教授らのグループは、4月から東京都で始まった幼児の病気を調べる「拡大新生児スクリーニング検査」でX連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)の患者を東京都で初めて発見し、無症状のまま治療を開始することに成功した。

XLAは診断が遅れると後遺症を起こしたり、亡くなったりする難病の一つ。治療によって健康な子どもと同じように生活できるようになるため、早期に診断して治すことが大切とされる。基本的に男の子しか発症しない。

東京都予防医学協会では従来20の病気をスクリーニングしていが、新たに七つの病気もスクリーニングできる「拡大新生児スクリーニング検査」を4月に開始。東京都で生まれるすべての赤ちゃんが検査を受けられるように体制の整備をしている。

採血したところ、Bリンパ球が欠損していることが分かり、さらに小児科研究室でXLAの原因であるBTKたんぱくが欠損していることも判明。XLAが疑われ、遺伝子検査でBTKに異常が見つかり、XLAと診断された。

同大学は「無症状のうちに診断がついて治療を開始できるメリットは大きいことから、『失わずにすむ命を救う』というミッションのためにも、東京都予防医学協会と協力して今後も拡大新生児スクリーニング検査がすべての赤ちゃんで行われるように尽力していく」と力を込めている。