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水素エネ技術の社会実装に寄与 産総研研究員が「ギ酸」による新たな発電システムを開発 

産業技術総合研究所(産総研)の川波肇上級主任研究員らは、筑波大学と共同でフロー式によるギ酸からの発電システムを開発した。この成果はギ酸を水素キャリアとするエネルギー技術の社会実装に寄与しそうだ。ギ酸は、将来のエネルギー問題を解決するために、水素供給源の一つとして、期待が高まっている。

ギ酸は酪農での資料の添加剤に使われるなど取扱いも容易な薬品だ。しかし。ギ酸を水素キャリアとして社会実装するにはそのプロセスに大きな課題があった。それは「バッチ式からフロー式へのプロセス転換」と「ギ酸由来の水素による燃料電池発電試験での実証」だ。

研究グループは1つ目のプロセス転換について、産総研が開発したイリジウム錯体触媒をポリエチレンに固定化することで解決。フロー式によるギ酸から連続水素製造プロセスを開発した。それにより触媒の長寿命化や高活性化を実現した。

次にギ酸から製造した水素を用いた固体高分子形燃料電池で発電実験を実施した。その結果、5時間以上出力が下がらない安定した発電ができることを確認している。

研究グループは今後について、「ラボスケールでのギ酸を水素キャリアとするフロー式連続水素製造システムおよび発電システムからスケールアップなどを通じて、社会実装に向けた開発を進めていく」としている。