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北大などの研究チームがグリーンランドの氷試料で年台スケールを確立 19~21世紀にかけて融解層の増加が判明

北海道大学の飯塚芳徳准教授らの研究グループは18日、2021年に掘削したグリーンランド氷床南東部の氷試料(アイスコア)で高精度年代スケールを構築し、産業革命前から現在にかけての夏季積雪融解量が北極域の温暖化に伴い増加したことを解明したと発表した。地球温暖化の将来予測の精度向上が期待されている。

研究グループは、グリーンランド氷床南東部のアイスコアの1799~2020年にかけての時間スケールを、半年解像度での確立することに成功した。それら年代を元に過去221年の降水量と夏季融解層の厚さを復元すると、グリーンランド南東部では、年降水量は221年間にわたり減少も増加もしていなかった。

だが、融解層の厚さは北極域の温暖化に伴い19~21世紀にかけて増加していることも明らかになった。

研究チームは「このアイスコアで提示された降水量や夏季融解量の地上真値を用いた計算を進めていくことで、気候モデルの精度向上と地球温暖化のメカニズムの理解向上につながり、地球温暖化の将来予測の精度を高めることにつながる」とコメントしている。