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農工大教授らが登山者アンケート 外来植物の発生の防止方法を分析

東京農工大学の赤坂宗光教授らの研究グループは、山岳地域への外来植物の持込の抑止のために登山靴の清掃行為を促進させるには、足跡マークを用いて清掃道具まで誘導すること、および具体的な抑止方法について情報を提示することが有効であることを明らかにした。

高山帯、亜高山帯の入り口となる妙高戸隠連山国立公園の火打山と妙高山の登山口に靴清掃用のブラシやマットを設置した上で、訪問者の行動を観察。「足跡マークの設置[ナッジ]」、「外来植物の種子の持込事実に関する情報提示」、「外来植物の種子の持込抑止方法に関する情報提示」、「情報提示なし[比較対照区])」の4項目でチェックしている。

この際、信頼性の高い評価結果を得るために、4点を無作為に変更。訪問者には、登山口を通過して少し進んだ場所でアンケートを行い、訪問者による外来植物の意図しない持込に対する知識と、当事者意識の程度を把握した。

行動が観察できアンケートの回答が有効であった344人の訪問者について分析した結果、「情報提示を行わない場合」に比べ、「足跡マークを設置した場合」には約21倍、「持込抑止方法を提示した場合」には約5倍の訪問者が登山口で靴を清掃しやすくなった。

さらに、「足跡マークを設置した場合」では、外来植物の持ち込みに対する知識と当事者意識の程度が高いほど、靴を清掃する割合が大幅に増加していた。具体的には、当事者意識が最低レベルであった場合に靴を清掃した割合は16.2%程度であったのに対して、当事者意識が最高レベルであった場合には、83.9%でした。

同様に知識が最低レベルの場合に靴を清掃した割合は約4割であったのに対し、最高レベルの場合には9割弱。持ち込みを抑止する方法を提示した場合についても、知識が高いほど清掃する割合が増加した。

研究チームは「他の生物多様性保全に関わるナッジを含む行動変容策の有効性の検討や、そのような対策の効果を変動させる個人の特性に対する理解を深めることが、人々の行動を変容させ生物多様性の減少を抑制する上で欠かせない」としている。