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低周波超音波治療による筋肉再生 広島大の研究Gが効果報告

広島大学の東幸仁教授らの研究グループは11日、低周波超音波治療が血管再生に有効であることを報告している。研究と同じ方法で筋肉再生が実施できると考えられ、機器の商品化も検討していく。

研究は、マウスの筋肉損傷モデルを用いて、低周波超音波治療が筋肉再生するメカニズムを詳細に明らかにした。それによると、骨格筋の再生は、骨格筋の幹細胞に発現している転写因子「Pax7」が、筋肉損傷等で刺激されると活性化して、筋分化制御因子「MyoD」を発現させる。

活性化された筋肉幹細胞は、増殖して数を増やしていき、筋分化決定因子「ミオジェニン」を発現することで、筋細胞となり筋線維と融合して筋肉が出来あがる。

低周波超音波治療は、細胞に存在する構造をつなぐ「インテグリン」、細胞プロセスを調節する「ERK1/2」を介してPax7を活性化し、MyoD、ミオジェニンの発現を増強させることで、筋肉再生をもたらすという。

研究グループは「研究結果からも、筋肉再生の際も全く同じ方法で実施できると考えられる。今後は、さらに機能の良い低周波超音波治療器を開発し、商品化も検討していく予定」としている。