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従来法の350倍に達する「混ざり具合」の計算手法 大阪公立大教授らが発明

大阪公立大学の綿野哲教授らの研究グループは3日、AI を用いた新たなシミュレーション手法を開発し、従来法と変わらない精度で、計算速度を約350倍向上させることに成功したと発表している。より複雑な粉体も予測できるという。

研究では、長い時間幅でも精度よく粒子運動を計算できる新しい手法を開発し、これを 「Recurrent Neural Network with Stochastically calculated Random motion(RNNSR)」と名付けた。RNNSRは、DEMで計算したごく短時間の粒子運動パターンを学習させて構築するAI モデルで、従来法の数万倍長い時間幅での粒子運動挙動を予測することができる。

研究グループは「粉体特有の運動挙動を精度よく学習・予測するために、巨視的な粉体の動きを回帰型ニューラルネットワーク(RNN)で予測し、微視的な粒子のランダム運動を確率分布モデルで予測することが特徴」としている。

これまでもDEMによって粉体全体の動きを計算しなおして、粉体混合を予測する手法があったが、計算に時間がかかるという問題も指摘されていた。が、この手法はそれよりも約350倍の計算速度が実証されている。

今後について「粉体のより複雑な混合挙動も予測できるようになること、さらに、実在粉体の特徴である不均質性を扱うことができる手法にまで展開したい」とコメントしている。