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魚にDHAが多いのはなぜ? 甲南大研究Gが食物連鎖の未解明ルートを発見

◇研究成果のポイント

☑魚類はDHAを自身では生合成できず、謎であった供給源の解明に大きな前進

☑原生生物ラビリンチュラ類の環境DNA調査などから、生態系の上位捕食者へのDHA供給者として、この生物群が最大の影響力をもつことが判明

☑漁獲量の予測や保全、高効率な養殖への応用にも期待

多価不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)は、人類に必要不可欠な栄養素であり、脳や神経細胞の発達や機能維持に重要な役割を果たす。一方、ヒトはDHAを体内で十分に合成できないため、DHAを含む食物を摂取する必要がある。特に魚類はDHAを豊富に含んでおり、人々にとっての主要なDHA供給源となっている。

甲南大学理工学部生物学科の本多大輔教授らの研究グループは、三陸沖海域での年間を通したモニタリングを行い、環境DNAから推定された原生生物ラビリンチュラ綱(水中に広く生息する単細胞の真核生物(原生生物))でのアプラノキトリウム類の現存量や、魚類の主要な餌である動物プランクトンのカイアシ類(数㍉㍍程度の小型の甲殻類(節足動物))の食性などから、DHAの上位捕食者への供給で、アプラノキトリウム類の影響力が最も大きいことを明らかにした。

魚類や動物プランクトンなどの捕食者はDHAをほぼ生合成できないため、その供給源は一次生産者の植物プランクトンとされていたが、捕食者と生産者の脂質組成が大きく異なる「DHAパラドックス」が知られていたが、本多教授らの研究はこの謎の解明に大きな前進をもたらすものとなる。

研究の成果は、微生物生態学に関する国際科学誌ISME Communicationsに掲載された。