東京科学大学(Science Tokyo)医歯学総合研究科公衆衛生学分野の藤原武男教授、未来社会創成研究院の菖蒲川由郷教授、東京都地域医療政策学講座の後藤夕輝助教らの研究チームは、新潟県十日町市の地域在住高齢者447人を対象に、週当たりの農作業時間と、認知機能と認知症との関連が報告されている脳容積指標(総灰白質、扁 桃体、海馬の容積)との関係を解析した。
その結果、週21時間を超えて農作業を行う人では、農作業を行わない人と比べて、認知機能低下(日本版Mini-Mental State Examination(MMSE-J、23点以下)に該当するオッズが低いことが示された。
この研究成果は、9月26日付(現地時間)に「Aging Clinical and Experimental Research」誌に掲載された。
一方、認知機能検査の得点を連続値として解析した場合には、農作業時間との間に有意な関連は認められなかった。また、脳容積と農作業時間との間にも有意な関連は確認されなかった。
この研究は一時点のデータを用いた横断研究であり、農作業による認知機能の維持や認知症予防の効果を示すものではない。この研究成果は、農作業と認知機能との関係について、今後のさらなる検証につながる探索的な所見といえる。