□研究のポイント
◎食品摂取多様性スコア(Dietary Variety Score: DVS)は、複数の食品群をどの程度幅広く 摂取しているかを簡便に評価する指標として、国内外で広く用いられてきた。
◎この研究では、近年の栄養疫学的知見を踏まえ、従来のDVSの食品構成を一部見直した Alternative DVS(ADVS)を検討。
◎若年・中年・高齢女性を対象に検討した結果、ADVS 得点が高いほど、食物繊維やビタミン、ミネラル類などの栄養素摂取量が多く、摂取基準を満たしていない栄養素の数が少ない傾向が示された。

東京大学大学院医学系研究科栄養疫学・行動栄養学(社会連携講座)の立石木綿子客員研究 員(筆頭著者:味の素㈱研究員)、大久保公美特任教授、田島諒子特任助教、同研究科社 会予防疫学分野の村上健太郎教授らの研究グループは、日本で広く用いられてきた Dietary Variety Score(DVS)について、近年の栄養疫学的知見を踏まえて再検討を行った。
DVSは、肉、魚、卵、野菜など10食品群の摂取頻度から、食事の多様性を簡便に評価する指標として、高齢者を中心に用いられてきた。一方で、近年は全粒穀物摂取の重要性が 国際的に指摘されているものの、従来のDVSでは全粒穀物が評価対象に含まれていない。全粒穀物は、食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含んでおり、摂取は生活習慣病との関連が報告されている。
そこでこの研究では、DVSを構成する10食品群のうち「油脂類」を、「全粒穀物」に置き換えたAlternative Dietary Variety Score(ADVS)を作成し、若年・中年・高齢女性で、食品群摂取量や栄養素摂取状況との関連を検討した。
その結果、DVSとADVSはいずれも、たんぱく質、ビタミン、ミネラル類などの摂取量と関連していた。特にADVS得点では、食物繊維、ビタミンB群、ミネラル類との相関がより強く、食事摂取基準を満たしていない栄養素の数が少ないことが示された。
この研究は、従来の食品摂取多様性指標を現代の食生活や栄養疫学的知見を踏まえて再検討し、関連性を若年から高齢まで幅広い世代の女性で確認した点に特徴がある。