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少量の培養液で細胞の状態を簡便に把握 慶応大研究Gが移植用心筋細胞の品質評価法開発

慶應義塾大学の遠山周吾専任講師、関根乙矢助教らの研究グループは25日、シスメックス㈱などとの共同研究で、培養上清中に分泌される様々な種類のmicroRNA(miRNA)を検出することで、ヒト人工多能性幹(iPS)細胞から移植用の心筋細胞を作製する工程のモニタリング手法を確立したと発表した。少量の培養液を調べるだけで、細胞の状態を簡便に把握することが可能となる。

研究グループは、細胞内で作られ、細胞外に分泌される20~25塩基の短いnon codingRNAであるmiRNAに着目。miRNAは、細胞の分化状態に応じて発現す

る種類が変化することから、廃棄する培養上清中に存在する特徴的なmiRNAを同定して検出することで、移植用心筋細胞の品質評価が可能ではないかと考えた。

ヒトiPS細胞から中胚葉、心筋分化、成熟化に至る各段階において細胞外に分泌される特徴的なmiRNAを同定し、少量の培養上清からそれらを検出することを目指して研究を実施した。

その結果として、培養上清中に含まれる各分化段階に特徴的なmiRNAを検出することで、細胞を破壊することなく、廃棄する少量の培養上清を採取するだけで経時的に簡易に評価が可能で、また細胞全体の品質を評価することが出来ることに成功したとしている。

研究グループは「本手法は、製造におけるコスト削減のみならず、移植後の有効性や安全性の評価、あるいは他領域におけるヒトiPS細胞由来の移植用細胞の品質評価への応用が期待される」とコメントした。