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【研究最前線】医薬品開発などに有用 多置換ベンゼンの簡便合成法を医歯大教授らが確立

東京医科歯科大学の細谷孝充教授らの研究グループは21日、トリアゼニル基を有するアライン前駆体を出発原料として用いる多彩な多置換ベンゼン類の簡便合成法の開発に成功したと発表。創薬研究などに役立ちそうだ。

研究グループは、一般にアラインの反応で問題となる位置選択性に関して、反応点近傍にトリアゼニル基を導入したアライン前駆体を用いることで、高い選択性が発現することを見出した。

アライン部位での選択的な反応に加え、トリアゼニル基自体の他の様々な官能基への変換と、隣接位への官能基の導入を組み合わせることで、開発したアライン前駆体を出発原料として高い選択性で多彩な多置換ベンゼン類を簡便に合成することに成功している。

研究グループは「開発した手法は、官能基許容性が高いため、出発原料であるアライン前駆体に対して、反応相手や反応条件を変えて各段階の変換を行うことで、幅広い多置換ベンゼン類の合成が可能となる。今後、本手法をもとに、創薬研究などに役立つ化合物ライブラリーの構築や、機能性分子の創製など、幅広い分野に役立つと考えられる」と説明した。