文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
【研究最前線】月の火山活動や大きさの変化を数値シミュレーションで再現 愛媛大と東大の研究Gが

愛媛大学の亀山真典教授や東京大学の小河正基准教授らは20日、過去に起きた月の火山活動や大きさの変化(半径変化)を月内部の数値シミュレーションで再現したと発表した。この研究は今後の月探査の動機付けとしても重要視されている。

研究では、火成活動(マグマの生成・移動の効果)をマントル対流モデルに反映させた月内部の円環モデルを新たに構築し、火山活動史を整合的に示すことができるのかを調べた。

その結果、約45億年前の月内部の大部分が固体であった場合、マグマが深部で生成しその後上昇することで火山活動が活発化すること、マグマの生成に伴う体積膨張によって月全体の半径膨張が引き起こされることが分かった。

深部で生成されたマグマの大部分は月表面に向かって上昇し、火山活動を引き起こす。その後、マグマの冷却に伴う固化により半径は収縮し、部分溶融したマグマの上昇も鈍化するが、このような上昇はその後数十億年間継続すると判明した。

研究グループは「月探査におけるターゲット選定において、研究は半径変化史という観点から『より詳細な月面の地質探査の理学的重要性』を、火山活動史という観点から『マントル由来の岩石試料収集や内部構造把握の理学的重要性』を支持する」と説明。

今後については、「月初期の描像は月の形成過程と進化過程を結びつける上で意義深い。本研究によって火山活動史や半径変化史が説明された一方で、いくつかの月の特徴的性質は2次元の数値モデルでは説明が難しいと考えられる。今後は本研究のモデルを発展させ、3次元球殻を用いた現実的な形状での月進化モデリングが心待ちにされる」と話した。