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【研究最前線】熱帯2次林の形成時期を高精度に特定する技術 高知大等国際チームが開発

高知大学などが参加する国際共同チームが20日、東南アジアで焼き畑や山火事などによって森林が消失した後、そこから再生した熱帯2次林の年齢(形成時期)を高精度に特定する技術を開発したと発表した。

研究は、衛星画像を利用して森林の攪乱時期を6年以内の精度で特定できたマレーシアの熱帯二次林29箇所で実施。各箇所で20㍍×20㍍の調査プロットを設定した。その内の最大サイズの個体の胸高位置から、木材のコアを採取してその中心(髄)に含まれる放射性炭素同位体(14C)の濃度から樹齢を推定した。

樹木は光合成のために取り込んだ炭素を成長に利用するため、木材中に含まれる14C濃度を測定すれば、いつ取り込まれたものかを年単位で特定できる。衛星画像から推定した森林が侵された時期と、木材コアの髄部分の14C濃度から計算したプロット内で最大サイズの個体の樹齢との間には、有意な正の相関関係があった。

両者の間には5年程度のずれがあり、衛星画像から推定した森林が乱された時期の方が早くなった。これは、14C濃度を用いた方法が、森林の攪乱後に数年間焼き畑などに利用され、放棄後に侵入した樹木が人間の胸の高さまで成長してからの時間(樹齢)を推定しているため。

一方で、衛星画像を用いた方法は森林が侵された時期そのものを判断しているため、両者の間に5年程度のずれが出たと考えられる。つまり、14C濃度を用いて算出された樹齢に、5 年を足すことで森林の形成時期が特定できることが分かった。

国際共同チームは「今回開発した方法を用いて、熱帯2次林の形成後の時間と炭素蓄積量や生物多様性との関係を明らかにすることで、今後保全すべき熱帯2次林やその鍵を握る環境条件などが明らかになる」としている。