文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
東大「マスク・チャージャー」を開発 静電気の力でマスクをパワーアップ

東京大学生産技術研究所のDLXデザインラボの共同研究グループは、マスクの静電気を1分以内に回復させる卓上の装置を開発した。不織布(ポリプロピレン)を「リチャージ」することで静電気を増大させ、機能をパワーアップするとともに、再利用を可能にする小型・簡易・安全な卓上装置。マスクを置き、蓋をして電源を入れ、数秒から1分間待つだけで安全に静電気を印加することができる。

医療現場で広く使われているN95マスクやサージカルマスクなどの不織布マスクは、ポリプロピレンを原料とするフィルターが用いられている。このポリプロピレンは、物理的なフィルター能力に加えて、静電気で飛沫を吸着することによってその効果を発揮している。しかし、高湿度下での保管、呼気の暴露、水洗いなど、水との接触により電荷が失われることが分かっており、気づかないうちにフィルター性能が著しく低下したマスクを着用してしまっているリスクが危惧されている。

研究グループが開発した装置は、一般家庭レベルでも使用できるよう簡単かつ安全な設計になっており、フィルター性能の回復による空気感染症への予防効果向上はもちろんのこと、マスクの再利用によるプラスチック廃棄量の削減などが期待できる。