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東北大、屋根上PVとEVによる脱炭素化の貢献度合いをフランスで試算

2050年カーボンニュートラル(CN)を実現するためには、都市化の脱炭素を急ぐ必要がある。東北大学の小端拓郎准教授らの研究グループは12日、屋根上太陽光発電(PV)と電気自動車(EV)が都市の脱炭素化に大きく貢献するという試算を発表した。

研究では、屋根上PVとEVを蓄電池として活用した際の、電力自給率、CO排出削減率などをパリとその郊外を含めた地域圏「イル・ド・フランス」で調べた。屋根面積は都市全体の70%の活用を最大値として、乗用車はすべてEVに置き換えたと仮定し、EVのバッテリーの半分をPVの蓄電池として分析。

その結果、パリは面積当たりの需要が高いため屋根上PVで賄えるエネルギーが限られる。だが、周辺も含めたイル・ド・フランス全体では屋根上PVとEVを蓄電池に使用するシステム「SolarEV シティー」を構築することで、最大23%程度のコストを削減し、電力と乗用車の運転に伴う二酸化炭素の排出量を最大で76%削減できると分かった。SolarEVシティー構想:屋根上に設置する太陽光発電(PV)と電気自動車(EV)を蓄電池として用いるシステムを都市スケールに広げる構想。

研究グループは「PVやEVを活用することで、CO排出がなく供給調整の可能な電力供給量を増やせれば、脱炭素化をより推進させることが可能となる」と説明している。