京都大学の井上浩輔准教授と米ハーバード大学の八木隆一郎リサーチフェローらは2日、健康診断で心電図異常が指摘されると将来の心血管疾患(CVD)の発症リスクが上昇すると明らかにしている。心電図解析分野の人工知能実装の基礎となる可能性がある。2日付の米医学誌「JAMAインターナル・メディスン」に掲載されている。
研究グループは2016年に心電図検査を受検した35~65歳の協会けんぽの被保険者である約370万人を解析した。
21年までの追跡調査の結果、健康診断で心房期外収縮などの軽度異常や心房細動などが見られた人は、正常であった者と比較してCVDの発症リスクが高いことが明らかになっている。軽度な症状の数とその数は、将来の重度心電図異常と関連があった。
研究グループは「このような一般集団におけるスクリーニングの効果を検証した研究は限られており、より詳細な研究やさらなる精度向上のための人工知能の活用が求められる」と評価している。