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ゴキブリの求愛行動の制御機構とは? 性フェロモンを解明 駆除や管理にも貢献 福岡大など

ゴキブリの性フェロモンと行動の関係

福岡大学と関西学院大学を中心とした研究グループは、衛生害虫である「ワモンゴキブリ」の性フェロモン受容体を特定し、フェロモンを感じられないゴキブリを作成した。求愛行動の制御が可能となり、駆除や管理に役立ちそうだ。

ワモンゴキブリのオスはメスのフェロモンに誘引されて求愛行動をする。このフェロモンはペリプラノンB(PB)とペリプラノンA(PA)からなっている。これらが脳内でどのように処理されて行動に結び付くのかは50年以上不明のままであったという。

研究ではPBとPA受容体を明らかにし、フェロモン感覚細胞やその応答性も解明した。そして、受容体遺伝子を操作することで受容体を感じないゴキブリを作成して処理機構について調査した。

その結果、オスはPBを処理する神経の活性化がメスへ引き寄せられたり、恋心が発現したりすることに必須であると判明。一方、PAに対処する脳内神経が興奮するとPB処理経路の活性化が抑えられていたと分かった。

メスのゴキブリから放出されるPB はPAより約10倍多い。そのため、フェロモンを放つメスの遠方で、オスの脳のPB処理経路が活性化し、注意を強く誘う。一方、メスに近づくにつれ、オスはPAの処理経路が活性化するようになるという。

グループはPAの活性化はPBによる行動活性の上昇を抑えるので、オスはメスの近くに留まるようになり、効果的にメスに定位し、交尾できるようになると考察。「この結果を生かせば、より強力なゴキブリ誘引剤の開発に活用できる」とコメントしている。