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高安病と潰瘍性大腸炎の解明へ 抗インテグリンαvβ6抗体は「関連なし」 理研

理化学研究所の寺尾知可史チームリーダーらの研究グループは、難病である「潰瘍性大腸炎」の特異的自己抗体である「抗インテグリンαvβ6抗体」が、大動脈に炎症を起こす「高安病」患者においても認められる。この抗体による共通の病態形成機構への関与が疑われたが、関連がないことを発見した。

研究グループは、高安病患者227人に抗インテグリンαvβ6抗体の有無と潰瘍性大腸炎合併およびリスクHLA遺伝子である「HLA-B*52遺伝子」との関連を検討した。

その結果、抗インテグリンαvβ6抗体が、潰瘍性大腸炎合併のない高安病患者においてもわずかに認められた。だが、両疾患の共通リスク関連 HLA 遺伝子 HLA-B*52の影響は有意に認められず、致死的な合併症である大動脈弁閉鎖不全症と関連しないことを見いだしている。