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トランスジェンダー男性へのホルモン療法 投与量で効果変化 1年以内 岡山大

岡山大学の富永悠介助教らの研究グループは、トランスジェンダー男性に対するホルモン療法の効果を研究した。1年以内は投与量の差によって効果の違いが見られるが、それ以降は大きな差は見られなかったとしている。

トランスジェンダーの男性は、2~4週間ごとに男性ホルモン製剤「テストステロンエナント酸」を筋肉注射する。だが、そのスケジュール管理は明確に決まっておらず、多くなりすぎると多血症や肝機能障害が起こる。一方で、少ないと倦怠感などにつながる。グループは効果と安全性、影響評価を行った。

グループはトランス男性291人に対して最大10年間、筋肉量や体脂肪率、月経の有無などについて調査した。

それによると、筋肉量は1年まで増え、体脂肪率は減少した。1年以降はそれぞれ緩やかな増加傾向が認められている。また、ホルモン投与量は高い容量の集団は、より大きな筋肉の増大が1年以内はみられた。開始時に筋肉が少ない人ほど筋量は増えやすかったという。月経停止については、ホルモンによる明確な違いが見られなかった。

富永助教は「今回の体組成の研究により、ガイドラインが整備されて多くのトランスジェンダーの方が安心して治療を受けることができるようになるとよい」と期待を寄せている。