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患者の呼吸で肺がんの有無を予測 高感度センサーと機械学習で実現 医療に貢献 NIMS×筑波大×茨城県立病院

物質・材料研究機構(NIMS)と筑波大学、茨城県立中央病院の研究チームは、嗅覚センサーと機械学習を組み合わせることで、肺がん患者の手術前と術後の呼気を高い精度で識別できる可能性を実証した。将来的にがんの早期発見と治療に貢献する技術となることが期待されている。

肺がんのスクリーニング方法は、低線量コンピューター断層撮影(CT)スキャンが主流であるが、放射線被曝のリスクや偽陽性、高いコストなど課題があった。より安全で経済的で簡単な方法の開発が求められていた。

研究ではNIMSで開発した超高感度な嗅覚センサー「膜型表面応力センサー」と機械学習を合わせて、患者が吐く息を分析し、肺がんの有無を予測する機械学習モデルを構築したという。

その結果、80%を超える精度で肺がんの有無を検知可能であることが確認している。特筆すべき点として、手術前後の吸気を用いることで個人差を抑制して得られた結果である点と再現性の高い測定・解析方法を用いた点が挙げられるという。

チームは「今後はこの研究成果を基に、各種のガス分析装置を用いた実験と組み合わせて、肺がんの存在を示す分子を特定するなど、明確な科学的裏付けを確立することを目指す」と力を込めている。