文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
脳・心血管疾患、「少し高い血圧」から「軽め高血圧」の労働者がほとんど 横浜市立大
高血圧治療ガイドライン2019における血圧分類と脳・心血管疾患発症リスク

横浜市立大学の桑原恵介准教授らの研究グループは、少し高い血圧の段階から脳や心血管疾患の発症リスクが高まっていることを発見した。発症者は「少し高い血圧」から「軽め高血圧」までの労働者が多くを占めていた。

研究グループは高血圧の治療中でない20~64歳の労働者8万1876人を、最大2012年4月~21年3月に渡って追跡調査した。11年または10年の血圧を「正常血圧」「正常高値血圧」「高値血圧」「Ⅰ度高血圧」「Ⅱ度高血圧」「Ⅲ度高血圧」に分類している。日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」によると、Ⅰ度高血圧以降が高血圧とされる。

調査によると、334人が発症し分類別にすると「高値高血圧群」が最も高い17.8%。「Ⅰ度高血圧群」14.1%、「正常高値血圧群」8.2%と続いた。一方で、「Ⅱ度高血圧」や「Ⅲ度高血圧」の割合は低かった。

研究グループは「たとえ健康診断で血圧があまり高い値ではなかったとしても、勤労者本人は意識的に血圧管理に取り組んでいくべき」とコメント。「研究面では、正常高値血圧・高値血圧から正常血圧まで血圧を戻すことで、脳・心血管疾患リスクが低下するかどうかを就労世代で検証していくことが望まれまる」としている。