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スポーツ観戦で幸福感は高まるのか? 脳の活性化がウェルビーイングに貢献 早大・ナンヤン工科大

早稲田大学とシンガポール・ナンヤン工科大学の研究グループは、「スポーツ観戦によってウェルビーイングは醸成されるのか」を検証し、スポーツ観戦が幸福感を高めるという強固なエビデンスを示すことに成功した。

研究ではスポーツ庁が収集した大規模調査データの分析と人気とそうでないスポーツによる違い、観戦時の脳活動を調べた。

それによると、性別と年齢、収入を統制しても「スタジアムやアリーナでの観戦ならびにテレビ・インターネットでの観戦」は、どちらも生活充実感と有意な正の関連があると示された。また、人気と不人気のスポーツ観戦では、人受けが良い競技のほうがよりウェルビーイングが高くなると分かっている。

脳の状態は、好評な運動競技を見ているときは、脳領域の尾状核という部分の活動が活発になると判明している。スポーツをよく視聴する人ほど、尾状核と神経細胞が集まる偏桃体の灰白質の体積が大きいと確認した。

これら脳領域は、幸福感を高める作用があるとされ、ウェルビーイングに深く関与すると考えられる。スポーツ観戦を繰り返すことで報酬系の構造変化が起こり、長期的な幸福度の高まりにも貢献するという神経生理学的メカニズムが示唆された。

研究グループの中川剣人次席研究員は「今回の研究をきっかけにして、今後も異分野融合研究を積極的に展開し、スポーツ科学研究発展のブレークスルーとなることを期待している」とコメントしている。