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希少神経疾患ニューロノパチー、運動障害が強い群は進行早い 病型分類を世界初実施 治療法開発に貢献 九大調査

九州⼤学の⼭﨑亮准教授らの研究グループは、神経の伝導が阻害される疾患「顔面発症感覚運動ニューロノパチー(FOSMN)」の全国調査を日本で初めて実施した。国内の推計患者数は約40人で角膜反射の障害などが診断に有効だと確認している。世界で初めてFOSMNの病型分類を実施し、特に進⾏の早い⼀群があることを発⾒した。

FOSMNは、顔⾯もしくは⼝腔(こうくう)内の感覚障害から発症し、えん下・構⾳障害などの運動症状とともに次第に下肢に向かっていく病だ。進行とともに体が不自由になるが、社会福祉サービスは整っていない。九大はFOSMNの患者数や臨床像を調査した。

それによると、国内の推計患者数は35.8人。全国から集めた21例の臨床状態は⾓膜反射やいん頭反射の障害、瞬⽬反射検査の異常が見られて診断に有用だと考えられた。

また、21例を「運動症状が強い群」「運動症状と感覚症状が同程度である群」「感覚症状

が強い群」の3類に分けたところ、「運動症状が強い群」が最も発症から重症化までの期間が短いことが分かった。

研究グループは「本症候群が世に広く知られることで知⾒がさらに集まり、診断される患者さんが増え、今後、病気の原因の解明や治療法の開発につながることが期待される」とコメントしている。