文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
小胞の動きを可視化 2種類の小胞融合機構を確認 神経疾患など発症プロセス解明に貢献 筑波大など

筑波大学や富山大学、横浜市立大学など5機関はマウス胚を包む「卵⻩のう」の細胞を⽤いて、細胞内で物質の輸送などを⾏う⼩胞を蛍光で標識し、これが融合する過程を可視化する技術を開発した。神経や免疫疾患など多くの病気の発症メカニズムの解明につながる可能性がある。

研究では、発⽣の早い時期のマウス胚を⽣きたままの状態で取り出し、細胞内小胞「エンドソーム」を示す蛍光物質を取り込ませ、顕微鏡で観察した。この⽅法により、マウス胚の⼀番外側にある卵⻩のうの臓側内胚葉細胞と呼ばれる細胞内でエンドソームの融合を観察することに成功している。

開発した方法を使って臓側内胚葉細胞を観察したところ、後期エンドソームの融合にはエンドソーム同⼠が融合する「同型融合」と、エンドソームとリソソームが融合する「異型融合」の2種類の融合様式があることを確認している。

解析を進めると⼩胞のサイズが融合様式と関係しており、⼩胞が⼩さい時は同型融合が、⼩胞が⼤きくなると異型融合が起こると突き止めた。また、⼩胞の膜にたんぱく質の「アクチン」が発生させていると考えられる「ゆらぎの⼒」を作⽤させると、⼤きいサイズでも同型融合が起こることが判明している。

研究グループは「⼩胞輸送に異常が⽣じると、神経疾患、免疫疾患、糖尿病などが起こることが知られており、本研究は基本的な細胞機能だけでなく、さまざまな疾患の発症メカニズムの解明にもつながる」と講評している。