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難治性抹消動脈疾患、LDLアフェレシスで改善 研究による検証必要 横浜市立大

横浜市立大学の田村功一教授らの研究グループは、有効性などの評価が必要とされる「先進医療B」として承認された「高コレステロール血症を合併しない難治性の末梢動脈疾患患者へのLDLアフェレシス」の臨床研究を実施。足の血流を示す足関節上腕血圧比やQOL指標の改善が観察されたとした。3日付の日本動脈硬化学会発行の学術誌に掲載されている。

末梢動脈疾患は動脈硬化により下肢の血流が低下することで疼痛(とうつう)や潰瘍(かいよう)をきたす疾患。動脈硬化促進性物質を除去する「LDLアフェレシス」が有効な場合があることが知られていた。その有効性と安全性を調べる研究を行った。

研究グループは30人の正コレステロール血症の難治性末梢動脈疾患患者に対し、デキストラン硫酸カラムを用いたLDLアフェレシスを10回実施。一連の治療の前後で足関節上腕血圧比(足関節レベルの血流を反映する数値)やQOL指標の変化を調べた。

その結果、LDLアフェレシス治療前と比較して、治療後には足関節上腕血圧比やQOL指標が有意に改善し、その改善は治療終了3カ月後の時点でも維持されていた。

QOL指標では、痛みに関する項目の改善に加え、感情的な側面や社会的な側面における改善が確認されたという。また、血管内皮機能や酸化ストレスの改善も認められている。

研究グループは「観察された変化がLDLアフェレシス単独の効果であるかは不明であることや治療後の欠測データが複数あったことが研究上の制限であり、今後の研究による検証が必要だ」と指摘。「作用機序の解明や症例選択に関する知見の蓄積が進むことが望まれる」とコメントしている。