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5年生存率4割のがん「悪性末梢神経鞘腫瘍」の悪性化メカニズムを発見 新規がん治療薬の開発に期待 岡山大

岡山大学の研究グループは、神経線維種から続発することの多い「悪性末梢神経鞘腫瘍」で腫瘍が悪性化するメカニズムの1つを発見した。今までにない新規のがん治療薬の開発に応用されること可能性もある。

悪性末梢神経鞘腫瘍は非常に稀な腫瘍だが、局所再発と遠隔転移の発生率が高く、5年生存率は約40%にすぎない。治療成績の改善はほとんどなく新たな治療法が必要であり、分子メカニズムの発見を目指した。

胎生期に四肢の形成に重要であるとされるたんぱく質「PRRX1」が、特定の悪性腫瘍において過剰に発現していると報告されている。研究グループは、特に神経系の腫瘍において悪性になるほどPRRX1が発現していることを突き止めた。

これをノックダウン、過剰発現させて解析したところ、PRRX1は細胞の形を変化させ転移しやすい状態になることを確認。さらに分析すると、PRRX1は抗がん剤にも含まれる「TOP2A」と結合することで、転移能力を高めることを認めている。

研究グループは「私たちは、悪性末梢神経鞘腫瘍の腫瘍の悪性化に関連するメカニズムの1つを新たに発見できた」と評し「今までにない治療標的となりうる可能性があり、新規治療薬開発につながる」と期待を寄せている。