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てんかん患者の「脳内切除」必要性判断 京大教授らが『特異的一貫性スコア(SCS)』を作成 全世界で利用可能な簡便指標を提案

京都大学の池田昭夫教授らの研究グループは、てんかん患者の脳内の焦点切除手術が必要かを簡単に評価する「特異的一貫性スコア(SCS)」を発案した。切除の必要性を考える上でルールに多様性があり、その基準がない。SCSはそれを設ける点数だ。今後、有用性を検証し、信頼性を高めていく必要性を指摘している。

京大は2011~22年に、難治てんかんで焦点切除手術を検討した患者131人を参考にSCSを作成した。

このスコアでは計8項目の臨床症状・検査所見として「熱性けいれん」「既往、発作型」、「MRI」など特異度の高い結果のみに注目。候補となる焦点の側方性・脳葉とそれぞれ一貫していれば加点して合計した。

その後、「焦点切除手術を行ったかどうか」と「焦点切除手術例のてんかん発作改善率」「手術前に想定した候補焦点と電極留置例で決定した焦点との一致性」との関連を解析した。

その結果、「焦点切除術を行った患者では、行わなかった患者よりもSCSが高い」「焦点切除術後に発作が大きく改善した患者は、改善が少なかった患者と比べてSCSが高い」「手術前の候補焦点と電極留置で決定した焦点が一致した患者では、一致しなかった患者よりもSCSが高い」ことが分かった。

これらから、SCSは難治てんかん患者に対して焦点切除手術を行うか判断するための適切な指標を提供し、てんかんを専門とするかどうかに関わらず、世界中の施設で簡単に利用できるとしている。

研究グループは「国内や海外の多施設により大規模な研究や検証が行われることで、SCSの有用性をさらに検証し、信頼性を高めていく必要がある」と指摘している。