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よく似た皮膚疾患を見分ける指標 大阪公大が米国病院と開発 素早い診断と適切な治療に貢献 

大阪公立大学と米国屈指の総合病院であるメイヨークリニックの研究グループは、汎発性膿疱性乾癬(GPP)とよく似た急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)を見分けるスコアリングシステムを開発した。臨床現場で医師がそれぞれを見分ける際の一助となる。

「GPPとAGEPは症状がとてもよく似ており、臨床現場で診断が難しいと感じることが多い」―。同大の高市美佳前期研究医はそう話し、両疾患を見極めるシステムの必要性を示した。

高市研究医らグループは過去20年間で医療機関を受診した患者のデータを集め、見分ける病状の鍵を探した。その結果、GPP患者では、関節痛、乾癬(かんせん)または関節炎の病歴、乾癬様の皮疹(ひしん)などの症状が多かったのに対し、AGEP患者では、薬剤アレルギーの病歴、下肢の内出血などの症状がより多く見られたという。

これらの特徴が判別の指標になると考え、システムを生み出した。実際にその予測性を評価すると、感度と特異度が良好で高い判別性能を持つことが証明されている。

研究グループは「今後は臨床医が2つの疾患を鑑別するために実用的に使用できる診断指標の確立を目指す」とし「スコアリングシステムの実用化のため、現在から未来に向かってデータを集める前向き試験にてさらに検証を進める予定だ」と説明している。